2013年3月27日水曜日

Nigel Cabournのハンティング ジャケット

 
3年くらい前にちょっとオシャレな狩猟の衣服を探していまして、その時にNigel Cabourn(ナイジェル ケーボン@nigelcabournjapan)という英国ブランドにたどり着きました。狩猟はアメリカでも盛んですが、いかんせん服のデザインがいけません。馬に乗って優雅に狩猟をする貴族の服みたいなのが欲しかったわけです。テーラード ジャケットの肩にガンパッチ(銃床を当てる布または皮革)が付いて、散弾銃の弾を入れる大きめなポケットが付いて、鳥などのゲーム(獲物)を入れるゲーム ポケットが付いていれば最高でした。しかしそんなジャケットは見つかりませんでした。

仕方がないのでとりあえずNigel Cabournのハンティング ベストと、腿の部分に当て革が付いているカーペンター パンツを買ったわけです。どちらもセージ色でカッコイイのですが、やはり欲しかったのはジャケットでした。参考までに英国製のフィールド コートなどで、背中の腰の部分に横から入れるポケットが付いているものがあります。都会では新聞や雑誌などを横から挿して持ち歩きますが、本来は狩猟時にキツネなどの獲物を入れるポケットだったりします。

そういった感じで引き続きジャケットを探していたところNigel Cabourn氏本人が来日するというお話を聞き、買ったハンティング ベストを着てお店に行ったわけです。ご本人は見た目も中身もエルトン・ジョン風味な方で、開口一番『君の着ているベストはカッコイイねぇ、それどこで作ってるの?』といきなりぶちかましてくれました。『おっさん、あんたのところで作ってるんだよ』と言おうと思ったところ、輸入元の担当者さんが割って入って苦笑いしながら説明しました。

店内で引き続きNigel Cabournの象徴的なジャケットである登山家のジョージ・マロリー氏をモチーフにしたマロリー ジャケットを試着していると、『君に良く似合っているよ』と優しく囁かれたのですが、まったく嬉しくなかったので『それならハンティング ジャケットを作ってくれ』とデザインを詳しく説明すると『わかった。ここで今マロリー ジャケットを買ったら、来年そのジャケットを作って交換してあげる』と言われたものの、エルトン・ジョンの言うことなど本気にするわけにはいかないので丁重にお断りしました。

そんなことをすっかり忘れていた翌年の秋口、Nigel Cabournのお店に立ち寄ると見かけないツィードのテーラード ジャケットが並んでいました。店員さんに『これは新作のハンティング ジャケットです』と説明され、まさかと思って手にとって見ました。おっさんは本当に作りやがりました。ガンパッチ、胸のゲームポケット、銃を構えるときに腕が上がりやすくなるような脇の下のマチ、そして私は提案していなかった体温を逃がすための脇の下の空気穴が付いたテーラード ジャケットが出来上がっていました。そしてそのジャケットが全世界で販売されたわけです。

それで私がそのハンティング ジャケットを買ったかというと、買いませんでした。ワンオフ(一点物)でしたら買ったかも知れませんが大量生産品にお金を払うのは悔しい気がしまして、店員さんに『このジャケットのデザインは私が本人に提案したのですよぉ。ははは』などと上目遣いに暗黙のプッシュを数店舗で繰り返したのですが私の意図は通じず、そうこうしているうちにシーズンが終わってジャケットも無くなりました。

ナイジェル・ケーボン取り扱い店舗 - ファッションプレス


0 件のコメント:

コメントを投稿